MENU
  • HOME
  • BLOG
  • WORK
  • PROFILE
  • CONTACT
ふぇにょんち
  • HOME
  • BLOG
  • WORK
  • PROFILE
  • CONTACT
ふぇにょんち
  • HOME
  • BLOG
  • WORK
  • PROFILE
  • CONTACT

ありがたいことに仕事が止まらない話

2026 3/06

2026年3月。

年度末のこの時期、複数のIPから同時進行で案件が走っていて、正直キャパシティの限界と戦っている真っ最中だ。ありがたい話ではあるのだけど。


目次

「あなたなしでは成り立たない」

先日、ある案件のクライアントからこんな言葉をいただいた。

「この案件のベースイラストは藤崎様の力なしには成り立たない」

10年以上この業界でやってきて、こういう言葉をいただけることが増えた。いや、正確に言えば、昔からそう思っていただけていたのかもしれないけれど、それを言葉にして伝えてくれるクライアントと、そうでないクライアントがいる。

この差は、実はクリエイターにとって非常に大きい。

僕たちフリーランスのイラストレーターは、基本的に一人で作業をしている。朝起きて、デスクに向かって、ペンタブを握って、納品して、また次の案件に取りかかる。その繰り返しだ。会社員のように同僚がいるわけでもなく、上司が「よくやったな」と肩を叩いてくれるわけでもない。

だからこそ、クライアントからの一言が、次の一枚を描くエネルギーになる。


3月のスケジュールが渋滞している

具体的なタイトルは書けないけれど、今月のスケジュールをざっくり並べるとこうなる。

  • 某カードゲーム案件A:制作体制の見直しに伴う打ち合わせ。先方からアートディレクター含む複数名が参加するという、かなり本気の座組み。
  • 某アプリ案件B:キャラクターデザインの新規依頼。先方から「ようやくまとまりました」とご連絡をいただき、来週MTGが入った。
  • 某カード案件C:既に走っている大型案件。数十点規模のイラストが同時進行中。ラフアップと作画アップの締め切りが3月中に2つ。

これに加えて、既存の継続案件も並行して動いている。

正直に言って、「新規案件をお断りしようか」と思うこともある。でも、声をかけてくださるということは、僕の絵を必要としてくれているということだ。それはクリエイターとして、何よりも嬉しいことだし、簡単に手放していい信頼ではない。


この10年で変わったこと、変わらないこと

この10年で、僕のイラストレーターとしてのキャリアは大きく変わった。

公式アートブックに個人名義でクレジットされるという、フリーランスとしては異例の実績をいただいた。イベントにお招きいただいて、作品の生みの親と言える方々と直接お会いする機会もいただいた。SNSのフォロワーは国内外合わせて40万人を超えた。

でも、変わらないこともある。

毎朝のルーティンは同じだ。起きて、走って、筋トレして、シャワーを浴びて、デスクに向かう。一枚一枚、丁寧に描く。それだけは10年前から何も変わっていない。

変わったのは「描く理由」かもしれない。

昔は自分のために描いていた。上手くなりたい、認められたい、仕事がほしい。でも今は、少し違う。

僕の描いたカードを、お父さん、お母さんと一緒にスーパーで探している子どもがいる。世界中のファンが、SNSで新カードの情報を心待ちにしている。そして、僕にこの道を開いてくれた恩人たちがいる。

その人たちのために描いている。


単価の話をしよう

これは同業者に向けて書く。

版権イラストの単価は、正直に言って高くない。「公式のお仕事をいただいている」というブランド価値と引き換えに、市場の相場よりも低い単価で大量に描くことが求められるケースは多い。

僕は10年以上やってきて、ようやく少しずつ単価交渉ができるようになった。でも「少しずつ」だ。10年やって「少しずつ」。

これが版権イラスト業界のリアルだ。

だからこそ、若いイラストレーターには伝えたい。単価だけで仕事を選ぶな、でも単価を軽視するな。自分の価値を自分で認識して、言うべきことは言え。言わなければ、10年経っても変わらない。

僕自身、最近ようやく「言うべきことを言う」ことを覚えた。遅すぎたかもしれないけれど、いつからでも遅くはないと思っている。


ネットの声について

カードが公式から発表されるたびに、SNSにはいろんな声が上がる。

「かっこいい!」「神イラスト!」という嬉しい反応もあれば、「ここがおかしい」「首どうなってんの」という声もある。

正直に言えば、後者の声が目に入ると、やっぱりしんどい。

でも、一つだけ言えることがある。

僕に依頼してくれるクライアントは、僕の絵を認めてくれている。

フォロワー数百人のアカウントが何を言おうと、公式が僕に発注し続けているという事実は変わらない。そして、その発注が止まる気配は今のところ一切ない。むしろ増えている。3月だけで複数の新規打ち合わせが入っているくらいだ。

批判は自由だ。でも、批判だけしている人と、実際に描いている人の間には、越えられない壁がある。

僕はこれからも描く側でいる。


これからの話

キャリアも折り返し地点に差しかかったのかもしれない。

でも、世間が思う「ベテラン」の停滞感みたいなものは、正直まったくない。

体脂肪率は10%前後を維持している。毎朝走っている。美容にも投資してきた。数年前の自分より、今の自分の方が明らかにコンディションがいい。

経済的にも、ありがたいことに不安はない。仕事も来ている。

じゃあこれから何がしたいか。

もっと表に出たい。

10年間、守秘義務の中で黙々と描き続けてきた。自分の名前を出せない仕事、自分の顔を見せない仕事。それはそれでプロフェッショナルとしての矜持だったけれど、そろそろ「自分自身」を表現するフェーズに入りたいと思っている。

詳しくはまだ書けないけれど、新しいプロジェクトが動き始めている。イラストレーターとしての僕ではなく、「一人の人間としての僕」を発信する場所。

公式案件は続ける。子どもたちのために、ファンのために、恩人たちのために。

でも、それと同時に、自分のための場所もつくる。

これまでは「積み上げる」期間だった。 これからは「使う」期間にする。

積み上げたもの——実績、スキル、経験、人脈、資産、健康、すべてを使って、もっと自由に、もっと自分らしく生きる。


最後に

3月9日に大事な打ち合わせがある。 3月12日にも打ち合わせがある。 3月中に数十点のイラストを仕上げなければならない。

忙しい。でも、充実している。

10年前の自分に言ってやりたい。

「お前が描き続けたその先に、お前なしでは成り立たないと言ってくれる人たちがいるぞ」と。

そして今の自分に言い聞かせる。

「まだまだこれからだ」と。


ふぇにょん 2026年3月

blog
  • クリエイターのフェーズ

関連記事

  • フレームが語る、沈黙のジャッジ
  • ふぇにょんの井戸、カンボジアに立つ。
  • 勘違いできた時間が、僕をプロにした
  • 「都合のいい絵描き」を卒業する日。
  • 「劣化するベテラン」にならないために。私が発信を続ける本当の理由
  • アニメーター(タツノコプロ)
  • 人生の「徳活」と宇宙貯金——目に見えない流れを味方につける流儀
  • Ixyさんの本を読んで気づいた、「イラストレーターの収入1割」の衝撃
  1. ホーム
  2. ブログ一覧
  3. blog
  4. ありがたいことに仕事が止まらない話

© ふぇにょん Official Website

目次
error: Content is protected !!