Freelance

強制的にフリーランスへ

ANKAMA JAPANを解雇されてしまったので2013年の11月から半ば強引にフリーランスになった。

26歳のときである。

帝王の星に生まれた私は人のご機嫌伺いながらこきつかわれるのはもうコリゴリだし、

すでにありがたいことに在宅でそこそこ稼いでいたので、いまさら一般的な賃金で働くことは無理だった。

なので密かに種を撒いてきた副業を本格的に本業にした。むしろ全力投球できるのでありがたかった。

また、アニメーターの時に学んだ知識と経験があるので他と差をつけられる強みがあった。

当初はアナログだったのであれだけ嫌だったトレスの技術もここで役に立つことになる。

人と違うことができるということは武器になるしとても強い。一貫性のあることを続けていれば人生に無駄はないのだ。

準備

フリーランスになると仕事はもちろん、社会的にもやることがたくさん。

当たり前だが今まで会社がやってくれていたことを全て自分でしないといけなくなるのだ。

  • 開業届
  • 保険
  • 年金
  • 税金
  • 確定申告

すべてが初めて、毎日が勉強。ただ絵を描いていれば良いのんきな生活は待っていないのである。

しかしその経験は確実に自分の力となる。その気になれば毎日進化することができる。全ては自己責任、原因自分論。

ただこれがまた楽しい。

とにかくやらないといけないことなのでネットで調べて1つずつこなす。人間追い詰められれば大体できるもの。わからない、できないという甘ったれはのたれ死ぬ。のたれ死にはしないけど絶対損をする。そのように世の中はできてる。情弱ビジネス。

自分の場合、確定申告はアニメーター時代に経験済みだったので戸惑うこともなくできたが収入が増えたので現在は税理士へ依頼。

まさか自分が税で悩む時が来るなんて夢にも思わなかったが、餅は餅屋へ。プロに任せることはとても大事。

在宅フリーランスについて

メリット

  • 出勤がないので満員電車に揺られず、日々の無駄な移動時間を全て事業に投入可能。
  • 音楽かけようが映画見ようがパンツ一丁だろうが裸だろうが好きな環境で仕事が可能。
  • 上司に媚びへつらう必要が無い
  • 嫌な飲み会や嫌な人に会う必要が無いので人間関係が楽、無駄な時間を削減。
  • 時間の融通がきく。
  • 疲れたり調子が悪い時はすぐ横になれる。
  • 平日でも外食や遊園地、美術館など遊びにいける
  • 嫌な仕事は断れる
  • 契約をしていなければ常識の範囲内ならば何をしても文句を言われる筋合いがない

デメリット

  • 仕事なければもちろん無収入→日本にいる限りまず死なない
  • 営業・交流・すべて自分次第→実力があれば餌をまいてるだけでお誘いが来る
  • 成功も失敗も全て自己責任→だから命をかけることができる
  • 退職金なし→小規模企業共済とideco,NISAで対策
  • 孤独になりやすい→孤独が好きなら天国(自分含)
  • 暇が怖い→だからいろいろな活動をする
  • 常に不安→どうせ消えないのである程度割り切る

デメリットもあるがほぼほぼ対策は可能なのと自分の成長につながるので結局メリット。

ただ孤独が辛い甘えん坊とセルフマネージメントができないだらしない人間には地獄w

戦略

コネも人脈もない場合、自分がブランドなのでなんとしても自分を売っていく必要があり。

自分をブランディング化しないといけないのでSNSは必須。無料で自分を世界に売れるツール。

つかわない手はない。恥ずかしい、人に笑われる、そんな甘ったれたことを言ってる人間はおとなしく社畜でもしとれ。

とにかく結果はすぐにはついてこなくても種をまいておくことが肝心。

SNSに限って言えば特別な才能もなく、何者でもない場合、フォロワーはすぐには増えない。

仕事がなかったらニート・フリーターと同じなのがフリーランス。

もちろん万人におすすめはしない。

私は色々な経験を積めたし、人間的なレベルも会社員よりもぐんと上がった。

頑張れば頑張っただけ自分の力になり、収入も上がるのがまた脳汁出まくり。

フリーランスで月収100万を超えている人は割と普通。

会社員だとエリート企業でもなければまず無理な数字だし絵描きだともっと難しいとは思うが自分は運良く時代の波に乗れて25歳で年収1000万を超えた。

ただこの立場に甘えないで、日々関わって下さる方々に感謝し信頼を裏切らないようにしないと没落するときはおそらく一瞬。

自由な時間は正直いってない。むしろ常に忙しくしてあえてないようにしている。暇こそ最大の敵。

24時間365日営業体制。少し前は夜中の1時に依頼が来ても直ぐに対応、まさに精神と時の部屋。籠の中の鳥。

自分をいじめ、いじめられることにも快感を覚えている「ドSでありドM」なのだ。

これからは完全に個人の時代だし、個人が企業と張り合える時代が来ている。

覚悟と信念を決めた人間にとって在宅フリーランスは「最強への道」だと私は思う。

大事にしていること

健康

まずこれは絶対。譲れない。鳥山明先生のお墨付き。

いくら必死に頑張っても無理をして体を壊してしまっては働けなくなりGAME OVER。ジ・エーーーンド!

フリーランスは病気になってしまってもなんの保証もない。

特に絵描きは座っていることが多く、ストレスも半端ないので運動不足や暴飲暴食になることも多く、実際に糖尿病患者も多い。

糖尿病になると最悪手足を切り取り、目も失明し、完全に絵描きは廃業。

なので自分は特に健康には気をつけている。会社員時代から気をつけていたが今はその10べえくらい。

筋トレは毎朝の日課だし運動と食事で日々の健康を積み重ねています。

仕事も健康もすぐに結果が出ることではないのでコツコツと日々の積み重ねが将来への投資です。

とにかく一度身体を壊すと取り返しがつかない。(二度目)

あとは自分は昼夜逆転して取引先に迷惑をかけたくないのが大きい。

そのために日頃からPFCバランスを意識した食生活を送るようにしている。目標は常に体脂肪10%前後を維持。

理想は「精神と時の部屋から出てきた悟空と悟飯」常に穏やかな超サイヤ人でいたい。

納期

どんなに技術が高くても

  • スケジュールを守らない
  • 連絡をとれない、返事が遅い

これでは仕事を頼まれなくなっていくと思っている。

仕事なので納期が一番。技術の高さは正直二の次。依頼側も納期が読めない怖い人は敬遠する。安心感が大事。

間に合わない時でも密に連絡を取りあっていれば対処のしようがあるし、相手も安心する。

返事もなしに平気で締め切りを破る人間が多いからこそ、私はすぐにラフを出すし、トラブルを見越して締め切り前に必ず納品する。

今まで10年近く締め切りを破ったことはない。この点も鳥山先生の教えから来ている。

感謝

フリーランス、聞こえはいい(?)が仕事がなければただの無職()。

たまにそこのところを忘れてしまっている人がいる。本当に謎。自分に名乗れば明日からあなたもフリーランス。

どんなに技術が高くても必要としてくれない人がいないかぎり意味が無い。砂漠の真ん中でiPhoneを売っても意味がない。

なので私は感謝の気持ちを忘れずに、普段からお仕事を気持ちよくできるように相手様にもかなり気を使っているつもり。

それでも案件がなくなれば唐突に連絡がなくなることも多いが、それも縁だと割り切ることも大事。

捨てる神あれば拾う神あり。執着を捨てる。

謙虚

偉くなり権力を持つと弱い立場の方をいじめる人がいるみたいです。とある動検とか。

技術が高い人、めちゃくちゃ上手いからといって人に迷惑をかけなかったり、人間としてのレベルが高いかというと、決してそうは思えない。

むしろ絵描きは上手い人ほど人としてやばいのが多いw(経験談)もちろん個人差はあるが。

偉そうにしたい、ストレスが溜まってる、それを制作にぶつける人をアニメ業界でイヤってほど見てきました。

制作進行の立場ってメーカーやクライアント、そして作業者との板挟みになってものすごいストレスが溜まる。心の奥では殺意を抱いている人も少なくないと聞く。

「仕事をしない、スケジュールを守らない、連絡がつかない。」これもいじめだがきっとあとで自分に返ってくる。因果応報。

お互いが助けあって良い物を創る姿勢を大事に。お金を出す側と技術と時間を提供している側。どちらが偉いなどない。

ただ残念なことに、会社の力を自分の力と勘違いしてこちらにマウントを取ってくるバカもいる(経験談2)

こういう自分が働いている企業の社長でもないのに「仕事を与えてやってる」という感覚を持ってる人とは関わらないようにしています。

「周りに助けてもらっている」忘れずに常に謙虚でいたいものです。ただ謙虚と相手の言いなりになることは別です。

断る勇気

ご依頼を断ることも必要です。例えばあまりにも安すぎる仕事。時間コストが割にあわない仕事。

そうしないと自分を安売りすることにもなるし、その後も値段を上げることは難しい。

例えば流行りのゲームのイラストだとめちゃくちゃ細かい色塗りまである事が多い。

一枚描くのに3~4日かかる場合もある。それで1枚1万とかだったら時給いくら?

断ったほうがいい良い例です。

仕事が少ない時や修行と割り切っている時期はいいかもしれないが、個人的には効率が悪いので絶対に受けません。

お断りする際は「双方に得がない」ことを説明し、相手のことを尊重します。返事をしないで放置、は人としても最低です。

でも絵描きにはそういう人間が多いのも事実。だからこそ私はしない。

年収500万超えたら税理士はマスト

アニメーターの頃の収入は年収100万以下のカスみたいなものだったので自分でしていた確定申告。

しかしフリーになり、おかげさまで10倍以上の年収になってからは税理士さん頼み。

もしケチって自分でやっても間違っていたら意味が無いのでお願いしている。もちろん経費。値段は年/25万円くらい(※月/顧問料は別)

とにかく税理士公認という箔がつくのが大きい。国税局を敵に回すことが一番怖い。

お金はかかっても「安心と時間を買う」という意味でも特に税務関係はプロに任せるのが一番。

低収入の時は確定申告は源泉徴収されていた税金が還付金として戻ってくるハッピーなイベントでしたが今となってはとにかく憂鬱なイベント。

おすすめの税理士はネットのやり取りに強くてメールでや手続きが迅速。仕事が遅いノロマは何をやってもだめ。

あとは自分の職種に対して詳しく、慣れていていればなおよし。

所得控除(2021年現在)

  1. 小規模共済(月70000円_年/840000円)
  2. 個人型確定拠出年金(ideco)(月/67000円_年/804000円)
  3. 国民年金
  4. 付加年金(年4000円)
  5. 文美保険(月/22000)
  6. JAniCA(月/2000)
  7. ふるさと納税(年/80~100万)
  8. 倒産防止共済(月/20万_MAX800万)

こんな感じで私は年間約420万円の税金控除をしています。

たくさん勉強してたどり着いた境地なので、おそらくこれがフリーランスにとって最強の控除。

保険

国民健康保険だとMAXの月/7万円(収入によって変わる)ので芸術系の職業の人間が入れる「文美保険」月2.2万円に「日本アニメーター・演出協会(JAniCA)」経由で加入(会員費は月/2000円)。月/約5万円の差はでかい。

固定費

自分の場合、これ以上節税をしたい場合はとにかく経費を使うしかない。しかしそこまで経費がかからない仕事なのが悩みであり、強み。

事務所の維持・通信費・交際費・消耗品などが主で、飲食などと違い材料や人材に毎月かかる固定費が不要なのが強い。

固定費は少なければ少ないほどよいはず。

少しでも快適な環境にし、パフォーマンスを上げるために経費を使い仕事道具は最新にしてるつもりだが、結局それ以上に稼ぐので結局500万円以上の税金を収めている高額納税者。普段の生活は全然お金を使わないのでマジつらい。

更に加えて節税にはなりませんが、つみたてNISAも毎月している。最大で年間40万というゴミみたいなものなのでNISAに変更した。

ほかにも株式投資や仮想通貨など投資はたくさんしているので将来の備えもバッチリ。ただ絵を描いているだけではない。労働収入より資産運用のほうが多いので極論、働かなくても良い。このことについてはまた別記事で書くとしよう。

法人化?

ちなみに節税のために法人化もかなり勧められるが、手続きが全てやり直しなのと給料制になるのがイヤなので、しない。

これ以上事業を広げるつもりもないし、人も雇いたくない。いつでも逃げられるようにとにかく身軽でいたいw

資金が尽きて「GAME OVER」にさえならなければ勝つことができる人生のゲーム。

なので自分はフリーランスを貫いていますし、これからも貫いていくでしょう。

このように他人の意見に流されないカッチン鋼のような固い信念と決心があります。